いきなり万十の「いきなり」は、熊本弁で「すぐに」という意味。昔は芋を皮で包み蒸すだけの簡単なお菓子だったのです。でも、生成屋のいきなり万十は「いきなり」でけんとです。たっぷり寝かせて甘みを増した芋を、並べて干してさらに甘~く。自家製の皮で丁寧に包み込みます。手間ひまかかったお菓子ですが、食べるときはお手軽に楽しく。パクッと「いきなり」召し上がれ。
丁寧に洗った薩摩芋を、均一にカットします。口当たりのよい厚さも研究の賜物です。抜き型を使って芋をくり抜く際に、不揃いなものは手作業で美しい円形に整えます。
黒ずんでいる部分はないか、大きさは揃っているか? すべて手作業で確認したら、芋をザルに並べ、干すことによって旨みを凝縮。アクが抜けて雑味のない味わいに仕上がります。
発酵させてあった秘伝の生地で、餡と芋を包みます。この作業は特に手早く。一段に約25個、一気に十段分を仕込みます。プクッと丸い形も、美味しさを追求して辿り着いたもの。
温度管理や蒸し上がりのチェックは、店主の仕事。辺りにふんわりといい香りが漂います。半透明の皮から餡が透けて見えたら蒸し上がり。粗熱を取り、個包装すれば完成です。
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